Classact について
Classact 株式会社は、IT インフラのサービス提供や技術サポート、エンジニア派遣を手がける企業です。日本国内で初めて Proxmox Gold Partner 認定を取得した企業の一つでもあり、仮想化やデータセンター運用に豊富な実績を持っています。顧客に高可用性の IT ソリューションを提供する一方、自社内でも業務効率化とコンプライアンス遵守を目的に、システムやプロセスの改善を進めています。
また、同社のデジタルニーズは技術部門に限られません。総務、人事、営業といった部門でも、採用管理、社員の業務運営、研修、情報セキュリティ対応を支える信頼性の高いシステムが必要とされています。
課題と求められる条件
NocoBase 導入以前、Classact は社内のデータベース管理にオープンソースツール「Exment」を利用していました。
しかし、事業拡大とともにデータ量が膨らみ、次第にパフォーマンス面での限界が日常業務に影響を及ぼすようになりました。
- ページ表示が遅い:大規模データでは 1 ページの表示に 5〜10 秒かかり、業務の進行を大幅に妨げていた。
- 利用者の不満:待ち時間の長さから社員の不満が増え、システムを使いたがらない声も出てきた。
- 拡張性不足:ビジネスの成長や新しい業務シナリオに対応できる柔軟さがなかった。
同時に、チームごとに別のツールも試されました。タスク管理には ClickUp が導入され、一方で Airtable や NocoDB の検討も行われました。
こうした検討を通じて、Classact が新しいシステムに求める条件は次のように整理されました。
- 高速処理:数十万件のデータを扱っても応答速度を落とさないこと。
- 柔軟性:部門ごとのニーズに合わせてアプリケーションを素早く調整できること。
- 企業レベルの管理:セルフホストやプライベート環境で運用でき、データを完全に自社で管理できること。
これらの条件が揃ったことで、Classact は NocoBase を最適解として選択しました。
導入プロセスと検証
本格稼働に先立ち、Classact はまずステージング環境で NocoBase を検証しました。数十万件のデータを取り込み、実際の業務を想定したテストを行った結果、クエリやページ表示においても安定した高速性能を維持し、期待どおりの成果が得られました。
この結果を受け、同社は自社管理の Kubernetes クラスター上に NocoBase を導入し、企業利用に耐える安定性を確保しました。さらに技術チームは複数のなプラグインを導入し、開発スピードを高めることで、停滞していた社員業務や研修管理システムを短期間で稼働させることができました。
こうした導入と検証のステップにより、NocoBase が性能面・拡張性の両面で信頼できることが証明され、リスクを最小限に抑えつつスムーズな移行とデジタル変革の加速を実現しました。
アプリケーション活用範囲
導入後、Classact は社内業務を幅広く支えるアプリケーション群を短期間で構築・展開しました。人事、従業員サービス、資産管理といった一般的な業務に加え、ISMS コンプライアンスやメンタープログラムといった専門領域にも対応しています。
- 人事管理
従業員データ管理、研修記録と通知、採用活動(面接記録・通知)、役割・職位の割り当て、従業員代表選挙、資格取得の管理。
- 従業員サービス
住所や通勤経路などの情報更新、福利厚生申請、経費精算、備品や書籍購入、名刺申請、健康相談、慶弔関連の報告。
- 資産・タスク管理
社内システム・設備資産の管理、日常タスクの追跡。
- 学習・育成
E ラーニングライセンス管理、メンタープログラム管理と報告による人材育成支援。
- 情報セキュリティ・コンプライアンス
ISMS 運用管理による情報セキュリティ基準への対応。
- データ収集・エンゲージメント
候補者情報の収集、従業員アンケート、社内フィードバックの収集。
従来の企業システムは一つの用途しかカバーできず、複数のツールを併用せざるを得ないのが一般的でした。NocoBase ならこの課題を解決し、Classact は一つのプラットフォーム上で自由にアプリケーションを構築・組み合わせることができます。
こうして同社は自社の業務に最適化された統合型管理プラットフォームを実現し、従来のソリューションに比べ格段に高い柔軟性を獲得しました。
成果
NocoBase の導入により、Classact は性能とユーザー体験の両面で大きな成果を得ました。
- 性能改善:ページ表示が 5〜10 秒から 1〜2 秒へと短縮され、日常業務の効率が大幅に向上。
- 利用者満足度の向上:待ち時間の削減により社員のストレスが軽減され、前向きなフィードバックが継続的に寄せられるようになった。
- データ可視化:グラフや柔軟なフィルター、表示設定により、データ分析が直感的で分かりやすくなった。
- 業務プロセスの効率化:ワークフロー機能が複雑な業務をシンプルにした。
さらに、Classact は NocoBase への評価を次のように語っています:
「私たちが最も重視しているのは NocoBase の安定性と拡張性です。大規模なデータでも常に安定した性能を発揮します。グラフ機能で直感的にデータを可視化でき、LDAP プラグインで Active Directory とシームレスに連携可能です。公開フォームにより候補者や従業員データの収集も容易になり、ワークフロー機能のおかげで社内プロセスが大幅に効率化されました。」
— Classact 代表取締役 本間豪紀
結論
Classact の事例は、NocoBase が数十万件規模のデータでも 1 秒未満の応答速度を実現し、さらに Kubernetes 上での運用とプラグインアーキテクチャによって、部門横断的で複雑な業務ニーズを一つのプラットフォームで支えられることを示しています。
従来の縦割り型システムとは異なり、NocoBase はモデル駆動で拡張性と組み合わせ自由度の高いアーキテクチャを備えています。これにより、企業はコストを抑えながら内部システムを継続的に進化させることができ、将来的な拡張にも柔軟に対応できます。
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