6 大企業向けノーコード・ローコードプラットフォームのRBAC権限体系詳細比較

本記事では、NocoBase、Retool、OutSystems、Appsmith、Budibase、Mendix の6つのノーコード/ローコードプラットフォームを比較し、RBAC(ロールベースアクセス制御)の粒度・柔軟性・操作性を解説。各ツールの特徴を理解し、自分に合った権限管理を選ぶ手助けになります。

Yuan Tianqi |

(本記事はAIにより翻訳されました)

序文

ノーコード/ローコードプラットフォームの設計において、RBAC(ロールベースアクセス制御)\は避けて通れないテーマです。

チームの協働やデータ保護、多モジュールシステムの管理など、ユーザーとリソースの境界が関わるあらゆる場面で、ロールと権限の設計が必要となります。

開発者や企業ユーザーにとってもRBACは常に関心の高い分野であり、セキュリティを支える重要な要素であると同時に、拡張性やメンテナンス性にも大きな影響を与えます。

Redditでも、このテーマの議論は絶えません。

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「ロールと権限付きのユーザー認証を追加しようとするたびに、すべてが崩壊する。ロジックは単純だが、実装すると破綻してしまう。」

この開発者は、わずか3つのロール(一般ユーザー、販売者、管理者)を備えた小さなアプリを作ろうとしただけでした。

しかし、実装が進むにつれ権限の入れ子構造が複雑化し、RBACが最もトラブルの多い部分になったのです。

一方で、別の視点からの不満もあります。

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「Budibaseはオープンソースを名乗っているのにユーザー数制限がある。Appsmithは細かい権限管理が有料プラン限定だ。」

多くのノーコード/ローコードプラットフォームでは、権限管理が依然として弱点です。

権限粒度が粗く、ページ単位でしか制御できないものや、詳細なロール・データ制御を有料版に限定しているものも少なくありません。

その結果、ユーザーはセキュリティとコストの間で妥協を迫られます。

RBACモデルの本質は次の問いに集約されます:

「誰が、どのリソースに、どんな操作をできるのか?」

ノーコード環境ではこの対応関係が非常に複雑になり、

開発者、業務ユーザー、外部顧客など多様なロールに対応しながら、

データベース、フィールド、ページ、ワークフローなど多階層のリソースを管理する必要があります。

これらを視覚的に設定できるようにしつつ、論理の一貫性を保つことが、多くのプラットフォームにとっての難所となっています。

以前の記事「RBAC(ロールベースアクセス制御)システムの設計方法 - NocoBase」では、 ロールとリソースの抽象化、条件付き権限の設計、複数ロール間の境界管理について詳しく解説しました。 この記事では、その知見をもとに、 代表的な6つのプラットフォーム(NocoBase、Retool、OutSystems、Appsmith、Budibase、Mendix)を 「権限粒度」「柔軟性」「操作性」という観点で比較します。

以下の表では、それぞれのプラットフォームがどのようにRBACを実装しているか、その全体像をひと目で確認できます👇

比較のため、★で権限の粒度を表しています。

★ = 粗い粒度

★★★★★ = 最も細かい粒度

プラットフォームオープンソースか権限粒度柔軟性使用体験
NocoBaseオープンソース(セルフホスト可)★★★★★ フィールド、条件、アクション、APIレベルの権限をサポート。ルール設定は可視化。高:プラグイン構造で拡張可能可視化設定で多ロールチームに適す
Appsmithオープンソース(コミュニティ版)★★★★☆ ページ、クエリ、データソース単位の権限。上位機能は有料。高:プリセット+カスタムロール、属性レベル制御ありUI直感的で学習コスト低い
Budibaseオープンソース(セルフホスト可)★★★★ テーブル、ビュー、ページ単位での権限。条件ルールは限定的。中高:ロール階層と条件制御をサポート簡単設定で中小チーム向き
Mendixクローズド/商用★★★★ モジュール、エンティティ、ページ、フローレベルの権限中:柔軟だが開発介入必要安定:企業向けガバナンスに強み
Retoolクローズド/商用★★★★ アプリ/リソース/クエリ単位。企業版で行レベルセキュリティ対応中高:Permission Groupsとルール設定可能高機能だが設定複雑・価格高
OutSystemsクローズド/商用★★★★ 画面、モジュール、データ単位。拡張には開発必要中:構造明確だが柔軟性に制限あり企業向け:成熟した安全モデル

NocoBase

🔗 公式サイト:https://www.nocobase.com/ja/

📘 公式ドキュメント:https://docs-cn.nocobase.com/handbook/ui/actions/permission

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  • 権限粒度:★★★★★ フィールド、条件、ビュー、アクション、APIレベルまで細かく設定可能。
  • 特徴:ロールに基づく多層的な権限管理を実現し、リソースタイプごとに柔軟にアクセス範囲を設定できる。ビューやアクション単位での権限制御にも対応。
  • 操作体験:直感的なUIで、画面上から直接リソースと操作範囲を調整できる。非技術職のユーザーでも容易に設定可能。
  • 拡張性:プラグイン構造により、権限ポリシーの拡張や外部認証(OAuth、SSO、LDAPなど)の統合が可能。企業環境でも複雑なアクセス制御や統合ID管理に対応。
  • ユーザー評価:公式動画のコメントでは「RBAC機能が非常に強力でコストも抑えられる」と好評。

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Appsmith

🔗 公式サイト:https://www.appsmith.com

📘 公式ドキュメント:https://docs.appsmith.com/advanced-concepts/granular-access-control

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  • 権限粒度:★★★★☆ アプリ、ページ、クエリ、データソース単位の制御が可能。企業版では属性レベルまで対応。
  • 特徴:Granular Access Control機能を備え、ロール継承やカスタム権限設定を柔軟に組み合わせ可能。承認ワークフローとの連携にも対応。
  • 操作体験:UIは整理されており、ユーザー・チーム・リソースを一括管理できる。環境ごと(開発/テスト/本番)の権限同期が可能で、チーム作業が効率化。
  • 拡張性:OAuth、SAML、OpenIDなどの外部認証をサポートし、REST APIで外部システムとも連携可能。
  • ユーザー評価:無料版では権限制御が制限されており、詳細なアクセス制御は企業版でのみ提供。Appsmith2.pngAppsmith3.png

Budibase

🔗 公式サイト:https://www.budibase.com

📘 公式ドキュメント:https://docs.budibase.com/changelog/rbac

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  • 権限粒度:★★★★ テーブル、ビュー、ページ単位の制御が可能。フィールドや条件ロジックはカスタマイズで対応。
  • 特徴:RBACモジュールを標準搭載し、ロールごとのアクセス、可視性、操作範囲を設定できる。複数ロールの組み合わせや動的データフィルタリングにも対応。
  • 操作体験:ドラッグ&ドロップで設定できる視覚的UIを採用し、専門開発者がいないチームでも手軽に導入できる。
  • 拡張性:REST APIとWebhookを提供し、外部認証サービスや社内ゲートウェイとの連携も容易。
  • ユーザー評価BudibaseのGitHubディスカッションでは「高機能でオープンソース」と評価される一方、セルフホスト環境でのユーザー数制限(最大20人)には不満の声もある。

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Mendix

🔗 公式サイト:https://www.mendix.com

📘 公式ドキュメント:https://docs.mendix.com/refguide9/user-roles/

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  • 権限粒度:★★★★ モジュール、データエンティティ、ページ、マイクロフロー単位でのアクセス制御を提供。
  • 特徴:Module RolesとUser Rolesの二層構造により、ページやボタン、データソースごとに柔軟なアクセス設定が可能。
  • 使い勝手:エンタープライズ向けの成熟したセキュリティモデルを持ち、UIは明快。ただし設定手順が多く、複数モジュール間の同期には管理負担がある。
  • 拡張性:Javaアクションやマイクロフローで拡張可能。Azure ADやOktaとの統合にも対応。
  • ユーザー評価G2レビューでは「権限設計が優れており、開発効率が高い」との声が多いが、「複雑な処理ではパフォーマンスが低下し、費用も高い」との指摘もある。

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Retool

🔗 公式サイト:https://retool.com

📘 公式ドキュメント:https://docs.retool.com/permissions/quickstart

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  • 権限粒度:★★★★ アプリ、リソース、クエリ単位の制御に対応。エンタープライズ版では行レベルセキュリティや監査ログ機能を搭載。
  • 特徴:Permission Groupsによるロール・アクセス管理を採用。環境ごとの分離や承認フロー構築にも対応。
  • 使い勝手:管理画面は見やすいが、設定階層が多く大規模運用では追加ルールが必要。
  • 拡張性:SSO、SCIM、SAMLなどに対応し、APIを使った拡張も可能。
  • ユーザー評価Retoolコミュニティでは「権限グループの仕組みは良いが、大規模運用ではカスタム属性管理が煩雑になる」との意見がある。
  • Retool2.png

💡 詳しく読む:2025年のRetoolに対する最良のオープンソース代替品 - NocoBase

OutSystems

🔗 公式サイト:https://www.outsystems.com

📘 公式ドキュメント:https://success.outsystems.com/documentation/11/user_management/user_roles

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  • 権限粒度:★★★★ 画面、モジュール、データ、UIコンポーネント単位で制御可能。ロジック層で条件設定も可能。
  • 特徴:統合されたロール管理とアクセス制御を備え、画面やデータ単位で柔軟に権限設定できる。
  • 使い勝手:体系は明確だが、設定にはIDE(Service Studio)の操作が必要で初心者にはやや分かりにくい。
  • 拡張性:Azure ADやOktaなどの外部認証との連携が容易で、拡張APIも充実。
  • ユーザー評価G2レビューでは「視覚的で整理された権限管理UIがわかりやすい」と高評価。

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結論

これらのノーコード/ローコードプラットフォームはRBACの実装においてそれぞれ独自の強みを持ちます。

  • 🟢 NocoBase:オープンソースの中で最も粒度が細かく、直感的に設定できる。自社管理や高度な権限制御が必要なチームに最適。

  • 🟡 Appsmith:内部ツール構築に適し、UIがシンプル。高度な権限機能は企業版限定。

  • 🟡 Budibase:導入が容易で中小チーム向き。無料版はユーザー制限あり。

  • 🟠 Mendix/OutSystems:企業統合に強く、セキュリティが堅牢。設定が複雑でコストは高め。

  • 🟠 Retool:企業向けセキュリティが優秀だが、多ページ・多ロール構成では追加設定が必要。

ニーズに応じて、自社の開発体制やセキュリティ要件に最も適したRBACモデルを選択するのが良いでしょう。

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