NocoBase では、会社の背景調査を追跡可能な自動化タスクフローとして構築できます。業務担当者はこれまで通り会社情報ページで作業し、ワークフローと AI 従業員が背景情報を補完し、処理過程を記録し、生成された各レポートを保存します。

この場面は、よくある問題に向いています。会社の背景情報は、一度入力すれば終わる静的な項目ではありません。公開情報は変わり、規制関連の出来事が発生することもあり、取引状況も業務の進行に合わせて変化します。人手で定期的に追記するだけでは抜け漏れが起きやすく、AI に会社情報を直接上書きさせるだけでは「今回の判断がどのように生まれたのか」を説明しにくくなります。ここでは、現在の情報と調査プロセスを分けて保存します。会社レコードには業務担当者が利用している現在の版を保存し、背景調査レコードには各 AI 調査タスクの状態、出力、履歴を保存します。
まず 2 つのテーブルを確認する
会社情報テーブルは調査対象の基本情報を提供し、背景調査タスクテーブルは各調査タスクを受け取ります。一方は現在利用できる情報を保存し、もう一方は処理過程と履歴結果を保存します。
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companies:会社情報テーブル
| 主要フィールド | 役割 |
|---|---|
| Company name | 調査対象を識別する主な情報です。 |
| Website | 公式サイトの手がかりを提供し、同名企業や略称による誤判定を減らします。 |
| Address | 地域、主体、事業範囲の判断を補助します。 |
| Company type | 顧客、サプライヤー、パートナーなどの業務関係を示し、後続対応の優先度判断に役立ちます。 |
| Background information | 現在利用している会社背景レポートを保存し、Markdown で構造化された内容を表示します。 |
background_check_tasks:背景調査タスクテーブル
| 主要フィールド | 役割 |
|---|---|
| Company ID / Company name | 今回の調査がどの会社を対象にしているかを記録し、タスク実行と履歴確認をしやすくします。 |
| Status | タスクがpending から processing、completed へ進む状態を記録し、重複トリガーを防ぐ根拠にもなります。 |
| Research report | AI が今回生成した完全な調査レポートを保存します。 |
| Summary | AI による調査過程、リスク点、補足が必要な情報の要約を保存します。 |
| Previous background | 書き戻し前の旧版を保存し、履歴追跡と新旧レポートの比較を可能にします。 |

会社情報から調査フローに入る
会社一覧は、業務担当者にとって最もなじみのある入口です。ページでは、会社名、公式サイト、会社タイプ、担当者、メールアドレスなどを確認できます。特定の会社を開くと、現在の背景レポートを確認できるだけでなく、新しい背景調査を手動で開始することもできます。
編集ページでは、Background information が Markdown エディターで表示されます。AI が生成する内容は短い要約ではなく、そのまま読めて、コピーでき、継続してメンテナンスできる構造化レポートです。業務担当者は手動で修正できますが、AI が生成した各結果は背景調査レコードに対応する履歴として残ります。

これにより、画面は通常の会社情報管理画面のままですが、内部の処理は「現在の情報 + 調査履歴」に変わります。会社テーブルは現在版を保存し、タスクテーブルは処理過程と根拠の流れを保存します。
3 つのトリガー方法

背景調査は、1 つの手動ボタンだけに依存すべきではありません。実際の業務では、新しい会社を追加した後に自動で情報を補完したい場合もあれば、過去データを定期的に再処理したい場合もあります。また、契約前や再審査前に担当者が自ら再調査を開始したいこともあります。
New company background check ワークフローは、会社の新規作成または更新後の自動調査を処理します。会社テーブルのデータイベントを監視し、会社名が存在し、背景情報が空の場合に起動します。起動後すぐに AI を呼び出すのではなく、まず同じ会社に未完了タスクがあるかを確認します。未完了タスクがない場合にのみ、新しい背景調査レコードを作成します。

Timing company background check ワークフローは、過去データの継続的な補完を担当します。30 分ごとに実行され、背景情報がまだ空の会社を検索し、バッチ単位でループ処理に入ります。ループ内でも同様にタスクが存在するかを先に確認し、そのうえで新しいタスクを作成するかどうかを決めます。これにより、定期タスクは繰り返し実行できますが、重複スキャンによって処理中のレコードが複数作成されることはありません。

Manual company background check ワークフローは、会社詳細ページの Run background check ボタンに紐づいています。訪問、契約、再審査の前に、業務担当者が手動で調査を開始したい場合に向いています。手動トリガーと自動トリガーは同じ後続フローを使います。まず背景調査レコードを作成し、その後タスク実行ワークフローが AI 調査を引き継ぎます。

この 3 つの入口は、それぞれ異なるタイミングの問題を解決しますが、最終的には同じ背景調査タスクテーブルに集約されます。新規作成トリガー、定期トリガー、手動トリガーは「調査が必要」という事実を記録するだけで、具体的な実行、状態管理、結果の書き戻しは後続のワークフローが統一して処理します。
AI 調査をタスク化する
Do company background check は、実際に調査を実行するワークフローです。背景調査タスクテーブル内の pending レコードを監視します。前段の自動、定期、手動フローによってタスクが作成されると、このワークフローが非同期で起動します。
実行時、ワークフローはまず会社がまだ存在するかを確認します。会社が存在しない場合、タスクは終了され、説明が書き込まれます。会社が存在する場合、タスク状態は processing に切り替わり、その後 AI 従業員を呼び出してレポートを生成します。AI 従業員のプロンプトでは、2 つの結果を出力するよう求めます。1 つは会社背景フィールドに直接書き込める Markdown レポート、もう 1 つは人が確認するための summary です。

AI が構造化された結果を返した後、ワークフローはまずレポート、summary、旧背景情報を背景調査レコードに書き込み、その後新しいレポートを会社レコードへ書き戻します。この順序により、「最新結果だけがあり、処理記録がない」という問題を避けられます。会社ページには最新の利用可能な内容が保持され、タスクレコードには今回の生成内容と書き戻し前の文脈が残ります。

タスク化すると、バッチ処理もより自然になります。定期ワークフローは各会社の調査完了を待つ必要がなく、複数の待機レコードを作成するだけで済みます。各レコードがそれぞれ独立して AI 調査を起動します。複数の会社を並行して進められ、あるタスクが失敗またはタイムアウトしても、他の会社の処理を止めません。
AI の結果を確認可能にする
AI が生成するレポートは、会社概要、主な事業、沿革と資本背景、市場での位置づけと競争視点、営業フォローの判断、引用リンクという固定構造で整理されます。業務担当者が見るのは「結論」だけではありません。summary に示されたリスク提示や補足すべき情報も確認できます。
背景調査レコードの詳細ページでは、Research report と Previous background をタブで分けて表示し、Copy 操作も提供します。これにより、議論、確認、外部コミュニケーションの際に今回のレポートをすばやくコピーでき、旧版と見比べて変化を確認することもできます。
レコード詳細には、さらに 2 つの AI 従業員タスクが設定されています。
- 背景調査レポートを改善する:会話で情報を補足した後にレポートを再生成し、結果を会社レコードへ書き戻します。
- 新旧背景調査レポートを比較する:新旧 2 つのレポートを読み取り、今回の更新によってどのような実質的な差分が生じたかを AI に説明させます。
これにより、AI は「一度テキストを生成する」だけにとどまらず、継続的なメンテナンス、確認、バージョン比較にも関わります。

ワークフローをどう組み合わせるか
全体として、このワークフロー群は 4 つの層に分けられます。
第 1 層はタスク作成を担当します。New company background check は新規作成または更新後の会社を対象にし、Timing company background check は過去データの補完を対象にし、Manual company background check は手動開始を対象にします。いずれもタスク作成前に未完了レコードが存在するかを確認し、重複処理を入口で減らします。
第 2 層はタスク実行を担当します。Do company background check は背景調査レコードを監視し、待機中のタスクを処理中へ進め、AI 従業員を呼び出し、完了後にレポート、summary、会社の現在背景フィールドへ書き込みます。
第 3 層は、AI 従業員に制御された書き戻し能力を提供します。Update company background はツール型ワークフローとして機能し、AI が明確なパラメータに従って指定レコードだけに書き込めるよう制約します。これにより、データ変更権限を広げすぎることを避けられます。
第 4 層は例外処理です。Clean overtime processing background check は 30 分ごとに実行され、15 分を超えても完了していない non-completed タスクを整理します。これにより、異常中断後のタスクが長時間 processing 状態に残り続けることを防ぎます。

どの場面に展開できるか
この場面が示しているのは、孤立したフォームでも、単独の AI ボタンでもありません。NocoBase の複数の能力の組み合わせです。データテーブルは業務対象と履歴レコードを保持し、ページは業務担当者が確認して起動する入口になり、ワークフローはスケジューリングと書き戻しを担当し、AI 従業員は確認可能な構造化結果を生成します。
同様のパターンは、サプライヤー審査、顧客デューデリジェンス、契約リスクの初期レビュー、リード品質スコアリング、世論・評判の追跡、投融資対象の一次スクリーニングなどにも展開できます。業務の中に「情報を継続的に補完する必要がある」「AI の結果を記録として残す必要がある」「履歴版を上書きせずに保持したい」という要件が同時に存在するなら、同じような方法で、実行可能で追跡でき、拡張しやすい自動化フローを構築できます。